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2009年8月29日土曜日

アメリカでの映画考察: PG13見せるの見せないの?どっち?

お昼過ぎ、残暑にぼーっとしながらタイプを打っていると、電話がなった。海の友達から、映画のお誘い「『GI Joe: The Rise of Cobra』を見に行くので、もしよかったら、、、」とのこと。あいにく海はジョンとエアーショーを見に行って留守。海に伝えるわねとそのまま電話を切った後、ジョンの携帯へメッセージを入れておく。帰ってきた海にその旨伝えると大喜びで電話を。もちろん行くとの返事で、そのままジョンと代わって、友達のお母さんと確認の話をしている。その話し振りから、ジョンがあまり乗り気でなさそうなことが雰囲気で伝わってきた。「どうしたの?良くない映画なの?」の私の問いに、「知らないの?コミックが元だけど、バイオレンスだらけだよ。信じられない。子供だけで見させるなんて。」との返事。

慌てて、映画館のホームページでレートを見てみると、うっ「PG13 (*Parental Guidance 13 の略:13歳以下の子供にはお勧めない映画であるという評価)」が付いている。グーグルサーチで最新映画の専門家批評サイトの「Rotten Tomatoes」を見てみるとさらに悪い。評価度は37%で、専門の批評家全体の合意点は「コミックファンにはノスタルジックだけど、ストーリも良くないし、ヴィジュアル効果も矛盾だらけ(While fans of the Hasbro toy franchise may revel in a bit of nostalgia, G.I. Joe: The Rise of Cobra is largely a cartoonish, over-the-top action fest propelled by silly writing, inconsistent visual effects, and merely passable performances.)」とさんざん。

これはいかんとジョンと相談して、やはり断りの電話を入れることにした。聞いたら、親はその映画の内容を良くわかっていなかったみたい。代替の子供向け映画「Shorts (*これも同サイトでチェックしたら45%と低い評価、でもまあPGのレートなので、GIよりもましということで)」もあるけどと遠回しに勧めてみたけど、既に子供たち同士で連絡しあって、行くことになっているので、そのまま行かせるよりしょうがないとのこと。う〜ん、どうすべきか迷ったけど、やはりだめなもはだめだよねと決めた。もちろん海はすごーく不機嫌になって、部屋に引きこもってしまった。

そりゃ11歳の男の子にとって、アクション一杯の映画はバイオレンスがつきもので、わくわくするのは承知。(そういうママもそういった映画は決してきらいじゃない。むしろ結構好きかも。頭を使わずに見れる映画は楽だし、爽快だものね。ジョンは馬鹿にするけど、「ターミネーター(オリジナル版)」なんて、今でもドキドキよ。正直のところ。)

だけど、君たちぐらいの年は、その影響を受けやすいのも承知。現実と想像の世界が時々一緒になっちゃうもの。遅かれ早かれそういった映画を見ることになるのだろうけど、少なくとも今はまだだめだよ、海君。私たちも不注意だったのは、認める。海が喜び勇んで電話をかける前に、映画のタイトルから内容を確認しておけばよかったね。私たちも少し反省(>_<,,,)。 それにしても、アメリカって国は、出版物のコミックの内容に対しては、コミックコードとかでやたらうるさいくせに、映画には甘いのはなぜ?PGのようなレーティングシステムがあるけれど、実際にはチケット売り場でそれをチェックとかしないので、効果的に機能しているとはとても思えない。結構野ざらしだなあ。大丈夫か?

2009年8月27日木曜日

うちのジョンのブログ:Jon's Journeys



ジョン。自然が大好きで、よく息子の海(現在11歳)と二人で自然探索と称してあちこちに出かけている。写真も大好き。この写真は、どうもシュノーケルをしながら試し取りの水中写真を自分の顔でとったものらしい。笑えるね、ハハハ。

うちのジョン。うちのパパ、もしくはだんな。アメリカ人。現在41歳。(いろいろなエスニックが混じっているらしく、ちょっとみにはアメリカ人には見えないかも。)「ジョン」と呼ぶより「パパー」と呼ぶことが多い。「僕は海の父親だけど、君のパパではないからね」と言われたことがある。時々理屈っぽい。

「うちのジョンはね〜」と奄美の友人に話していたら、「うちのジョンって犬みたいね。」と言われた。そう言えばそうだなあと思ったので、犬でない証拠に皆に紹介することにした。ついでに、その時習っていた奄美の蛇三線(じゃみせん)で島唄をみんなの前で披露したら「うわーすごいわね〜。」と褒めてくれたので、犬でないことは証明できたみたい。もうだいぶ前のことである。

ジョンに会った第一印象として、「アメリカ人というより日本人みたいな人だね」とよく言われる。「日本人みたい」ってどういうことだろうといろいろ考えて見た。どうも普通のアメリカ人とは違うねということらしい。じゃあ「普通のアメリカ人」ってどういう人のことを言うのだろう、と考えていたら、日本人のアメリカ人に対する一般的な印象というのが良くわかってきた。要するに「はーい皆さん元気〜!」というように、やたら明るく、愛想をふりまく、フレンドリーな人々というのが、どうも皆の持つアメリカ人ってことらしい。

確かにそういうイメージからはかなり遠いのがうちのジョン。寡黙な人である。だからといって無愛想では決してなく、人の会話に対してよく微笑んで聞いている。私から言わせると外面がよいだけだと思うのだけれど、この寡黙で優しそうな態度がやたらと友人受けしている。

(そういえば、「一家に一人ジョン」とも言われている。昔あったアメリカドラマ「大草原の小さな家」のお父さんよろしく、家の修理や片付けをまめにしてくれるから。島口(奄美の方言)でいうところの、「まりがるな人(「じっとしていないでよく動く&働く人」という意)」である。母もそういう風にジョンのことを言っている。そういえばである。)

ということで、私の友人たちの結論は、ジョンと私は逆転の関係で、ジョンがより日本人的で私がアメリカ人的なのだそうである。私としては、いろいろ反論はあるけれど、アメリカの水が合っているのは確かなので、今しばらくは、そういうことにしておこう。(そう言えば、家での役割も一般的な男女の反対を行ってる。これの説明をすると長くなりそうなので、また今後。)

ジョンについて書くつもりだったわけではないのに、、、いつものようにどうでもいいことに時間をとってしまった。今日は、ジョンのブログ「Jon's Journeys」をここに紹介したかったのだ。

この私のブログの右上にも掲載されているジョンのブログ。名前の通り旅行日誌的なブログで、旅先の出来事やエピソードを写真を中心に彼のコメントを添えて紹介している。改めて今回よく読んでみたら、これが結構おもしろい。私と違ってリンクで情報をつなげていくのではなく、ページに写真をずらっと並べて、旅先のことがいろいろと紹介されている。ひとつひとつの写真の中に、ジョンならではの視点があって、日本人ではちょっと気づかないような、おもしろい情報が満載である。特に日本社会にあふれている Jinglish (Japanese English:一見英語なんだけど、実際の英語としては意味がなりたたない日本語英語)についてのコメントが傑作である。短い簡単な英語でコメントが書かれているので、英語を勉強したい人にもちょうど良いレベルだと思うので、よろしかったら時々のぞいてみてくださいね。

2009年8月25日火曜日

偶然ばったり宮崎さん(8/18/08)その二

(2000年8月10日、30分の予定の取材を45分に延長していろいろお話してくださいました。その後、スタッフのお一人西岡さんがジブリスタジオ内を案内。そのとき宮崎さんの仕事机の横で一緒に。ちょうど9年前。うわっーなんと私が若い!宮崎さんはきれいな白髪にかわっておられましたが、この写真とそれほど変化なしの感じでしたよ。)

宮崎さんとの偶然の出会いが、あまりにもうれしくて、チコに帰ってきてから9年前、宮崎さんに取材をした時の写真を思わず探してしまいました。

もうたぶん時効でしょうから、ここで少しご紹介。2000年、8月10日のことです。ちょうど千と千尋の神隠しの作品作りをされている頃で、取材をした時にはまさかこの後、アカデミー賞をとられ、名実ともに世界で宮崎さんがブレイクするとは、誰が想像できたでしょう?(知っていたら、ジブリスタジオを案内していただいた時に床に散らばり落ちていたデッサンの丸めた紙を拾って家宝にしていたのに、、、ちょっと残念 >_<,,,,)

(アニメのセルに描く前に、必ず宮崎さんがイメージを水彩で描かれるのだそうです。その絵の一つが上記の写真、右のボードの掛かっているのが見えます。ここにあるのもまたその一例。宮崎さんのイメージ水彩画がずらーりと。これだけの手間ひまをかけて、宮崎アニメの特徴である、美しい風景が出来上がるのですね。納得。)

(実はブレントウィルソン、当時ペンシルバニア州立大勤務現在は既にリタイヤ、もコラボで一緒に取材をしていたのですね。一緒の方が案内をしてくださった西岡さん。)

またこの後、宮崎さんは世界から取材が殺到し、新たな取材を受けなくなってしまうのですね。できることならもう一度お会いして、またお話を伺いたいです。(宮崎さん!「こどもには自然を見せることが一番です。自然からこどもは多くを学びますから」とおっしゃってくださった言葉を受けて、うちの息子も自然を師として育ててますよ〜。宮崎さんは私の取材のことなど、きっと多くの中のひとつに過ぎず、お忘れになっていることと思いますが、私はそのとき宮崎さんの言葉から多くを学びました。あっという間に時が過ぎ、もう9年前のことになりました。あのとき「もう僕はすぐ引退するような年になりますから」とおっしゃっていましたが、あれからも作品を作り続けておられること、とてもうれしく思います。どうかこれからもずっと続けて作られることを、そしてアメリカから宮崎さんのご活躍を見続けていきたいと思っています。いやー思わずファンレターになってしまいました。)


偶然ばったり宮崎さん(8/18/08)その一

ところでところでこーんなこともあるんだというお話しを今日はひとつ。

なんとなんと、夏の長期日本滞在を終え、アメリカに飛び立つその日、8/18(火)のお昼、素敵な人に偶然会いました。誰だと思いますか?なんと宮崎駿さん。そうあの宮崎さんなのだよ。

ジブリスタジオは東京の東小金井(中央線)にあるのは周知の事実。実は私の高校時代のバスケの友人友(とも)の家がその近くにあり、奄美から東京へ移動し、日本を離れるまでの約2週間、そこに今回はいそうろうをさせてもらっていました。(というよりほとんど国内をあっちゃこっちゃ移動していて荷物を置かせてもらっていたという方が正しいかも。)

とにかくその日、ドアを開けてスーツケースを出そうとしていたら、手伝ってくれていた友人の娘の渚(なぎさ)ちゃんが「徳さん見てー!」と指差す方向に目を向けて見ると、白い帽子を被った男の人がてくてくと歩いているではないですか。後ろ姿をぼっーと見ながら「だーれ?知っている人?」と聞いてみると、「宮崎さ〜ん!」と一言。(後から聞いた話しなんだけど、なんと彼女の家の前を宮崎さんがよく通るのだそう。でもここんとか半年くらいご無沙汰だったとか。)

その時は「そうか宮崎さんか。いやー近いのは知っていたけれど、お見かけするとはなんと幸運な、、、」くらいに考えて、さすがにアポなしのプライベートの時間を邪魔ちゃ悪いと思い、そのままゆっくりと後ろ姿を拝見しながら、駅に向かって歩いていたのですね。

そこで歩きながらの渚ちゃんの一言。「すご〜い偶然!もし少しでもドアを開けるのが早かったり、遅かったりしたら気付かなかったよね〜。」という言葉に、そうだこれは天の啓示に違いない、ここでご挨拶しなくちゃ、一生後悔するわいと思い直し、渚ちゃんに「やっぱり私ちょっとご挨拶してくるね。」と重いスーツケースをごろごろとすごーい騒音をたてながら、宮崎さんを追いかけたのでした。(横を見ると、しっかり渚ちゃんもついてきておりましたね ^_^。) 途中でそのあまりの音の五月蝿さに宮崎さんが振り向き、私たちのかっこを見て、音の原因を確認してほっとされたのか、また前を向き直して歩いておられました。すみません。うるさくてびっくりされたことでしょう。

追いついた宮崎さんの横に並びながら歩き、息をきらせながら、突然呼び立てたことのお詫びをまず言い、10年ほど前に取材をしたことがあること、そのお礼を一言いいたかったこと、アメリカで宮崎さんの作品をこれからも楽しみにしています、と慌ただしくご挨拶をしたら、声をかけた瞬間は何事かと言わんばかりの驚きの顔をしていた宮崎さんが、にこっと例の笑顔で一言「お忙しそうですね。がんばってください。」と言ってくれました。(渚ちゃんが後で、宮崎さんてあんな風に優しく笑うんですね、とも言ってくれたので、笑顔で対応してくれたのは確かよ〜。とよいふうに勝手に解釈しています。)

本当になんという偶然。こういうこともあるんですねというお話しでした。

実はこれには続きがあって、チコに帰ってきて友達 (ジャズピアニストのしげみさん)にご挨拶の電話を入れたら、「雅美さ〜ん、今週末ポニョを見に行くんだけど、行きます?」というお誘い。ということで、今日ポニョを見てきました。ディズニーの配給という肝いりで、吹き替えも豪華だったけど、吹き替えのポニョの歌が少しラップになっていたのは、やはりアメリカだからでしょうか。(それはそれでおもしろかったけど、やはり日本語版をみてみたいです。)Rotten Tomatoesの批評も90%と高かったですね。でもきっと賛否の意見は二つにわかれると思う。批評文も多少なりともポジティブな意見が90%という意味で、「千と、、、」の時とはこのポジティブ感が違うというのは正直あります。ちなみにこれを最後と決めていたらしい宮崎さん、実は日本での興行売り上げが「ハウスの動く城」に届かなかったことを知り、次回を考えているそうです。しばらくはまだ宮崎さんの作品を見れそうです(^_^)。